借金生活脱出のために対処療法と根本療法を考える
もし慢性的なキャッシング生活に陥っていたり、多重債務などの問題を抱えているなら、「対処療法」と「根本療法」という考え方をしてみると、その問題解決に大きく役立つかもしれません。
まず、「対処療法」と辞書で調べると【穴埋め、間に合わせ、一時しのぎ】といった言葉が出てきます。
何か目の前の問題に対処するというような意味合いです。
原因そのものを取り除くのではなく、それによって起きている症状を和らげたり無くしたりすることです。
言葉の印象はあまりよくありませんが、目の前で起こっている問題をまずは解決しなくてはいけませんから、問題が起こればまずはこの対処療法を行うことが求められます。
一方「根本療法」は「原因療法」や「根本治療」などとも言われますが、目先の問題への対処ではなく、そもそもその問題が発生した原因に対して何かしらの対処をするということです。
病気の時の例
これらは病気をした際などによく使われますが、例えば長年頭痛で苦しんでいる患者さんが病院に来たら、それに対して医師はまず頭痛を抑えるための対処療法を行うはずです。
一般的には痛み止めなどの薬を処方するのだと思いますが、まずは目先の頭痛という問題に対処しなければなりません。
これでこの患者さんは一息つけるでしょうが、この状態は薬で頭痛を抑えているだけで、根本的な問題は全く解決していません。
薬が切れればまた頭痛がぶり返してきますし、薬で抑えられるからといって放っておけば症状が悪化したり、体の他の部分にも影響が及んでしまう可能性があります。
そもそもの頭痛の原因を突き止めて、それを改善していかなければ、この患者さんはこれからもずっと問題を抱えたままです。
たとえば、この頭痛の原因が日常生活の不摂生による太りすぎで血管が圧迫されていることだとします。
だとすると、この場合の「根本療法」は生活改善ということになります。
日常の食べ物に気を付けたり、運動したりする習慣を身につけていくということが根本的な治療になるわけです。
痛みが出た時に薬を飲んで痛みを和らげたり、場合によっては詰まっている血管をバイパス手術で拡張することもできるかもしれませんが、根本的な問題を解決しなければ、いずれ近いうちにまた同じ症状が現れるのは目に見えています。
キャッシングの場合
慢性的なキャッシング生活や多重債務など、長年お金や借金などの問題を抱えている場合もこれと同じことが考えられます。
もしお金の面に関して健全さを失っているのなら、目先の問題だけを解決しても、根本的な問題を放っておいては状況はなかなか好転していかないというわけです。
目先の金策のためのキャッシングは、対処療法としてこれはこれで必要なことですが、これを必要以上に繰り返している状態であれば、それは決して健全な状態とは言えません。
何かもっと根本的な部分に問題がないか考えてみる必要があるはずです。
キャッシング関連の問題の場合、その根本原因は「収入と支出のバランス」というという所に行きつくことが多いと考えられます。
一時的なキャッシングであれば問題ありませんが、何度も繰り返すような状態というのはおそらく「収入と支出のバランス」が崩れかけている状態でしょうから、そこをしっかりと正さなくてはいけません。
さらに言うと、その「収入と支出のバランス」を崩してしまうような問題というのが、本当の意味での人それぞれ個別の根本原因といえるかもしれません。
たとえば、ギャンブル依存、過剰な買い物、過剰な見栄、低収入、無収入、病気などなど、色々な原因があると思います。
(さらにその問題の原因は何かと、もう一段掘り下げてもいいかもしれません。)
多重債務などの問題を抱えている場合は、こういった根本部分の問題を対処していかないと状況がなかなか好転していきません。
そして、こういった根本的な問題は大抵すぐに解決できるものではなく、時間をかけてゆっくりと改善していかなければならない問題であることがほとんどです。
それは、これらは長年培ってきた習慣に基づくものであることが多いからです。
ですが、ここを変えることができれば新しい人生が開けるのも事実です。
それまで肥満だった人が食生活など生活習慣を改善して、健康的な体と共に新たな人生を手に入れた話は誰もが聞いたことがあるはずです。
これまでの自分を変えるのは本当に大変なことではありますが、それができれば必ず新たな人生が開けてくるということはこれまでに何度も実証されています。
借金自体が根本原因になっていることも
また、多重債務などの場合、そもそも借金自体が根本原因になっていることがあります。
「お金がないから何もできない」「稼いでもほとんど借金の返済で消えてしまう」など、借金があるから前向きになれず意欲がわかないという状況に陥っていて、それが原因でその生活から抜け出せないということもあります。
この場合は、例えば債務整理をするなどして借金を帳消しにしてしまえば問題は一気に解決します。
これは、整形手術をして新たな人生を手に入れるのと似ているかもしれません。
債務整理は何度も繰り返せる仕組みではありませんが、借金自体が根本原因で苦しんでいるのであれば、一度の人生ですからこうした思い切った手段に出ることも有効です。【(参考)債務整理を知る】
もしこの記事を読んで何かピンと来た人は、自分が抱えている問題の根本的な問題は何なのか、まずは考えてみてはいかがでしょうか。
以上、「対処療法」と「根本療法」、それぞれに目を向けることが問題の解決につながるということについての解説でした。
自分のお金の流れを知る
お金は血液と同じだと言われることがあります。
健康な人は血管を通して血液がよどみなく流れて全身に栄養を送っています。
血管のどこかが詰まってくるとそれがうまく流れなくなり、栄養が行き届かなくなりだんだん体の調子が悪くなってしまいます。
放っておくと健康にも影響が出てしまいます。
その様子がお金の流れと似ているというわけです。
個人のお財布事情にも全く同じことが言えます。
お金の多さではなく健全に流れているかどうかが大事なのです。
一時的に経済的な無理をするような状態になることは珍しくありません。
問題はこうした状態が長く続けていると悪い影響が出てくるということです。
あなたのお金の流れは健全に流れていますか?